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『自宅でできるライザップ 運動編』扶桑社
”結果にコミット”する。このようなうたい文句で一世を風靡しているパーソナルトレーニングジムといえば今や日本人で誰もが知っているライザップです。
ライザップのプログラムに通おうとするとそれなりの金額がかかります。
しかしこの本『自宅でできるライザップ 運動編』はライザップのジムに通わなくても、自宅で自分なりのペースでライザップメソッドに取り組めるように解説してくれているのです。
ライザップの最初の一歩『目標設定』
ライザップではトレーニングに入る前に必ずカウンセリングを行います。
そこで体調や食生活などのもろもろのことを聞かれるのですが、ライザップが一番明確にしてほしいのは目標設定をどこに置くのかということです。
ライザップでは個人のなぜ痩せたいのかを深堀して聞くことで、個人の痩せた後のイメージを明確にし、それがダイエットの成功確率を高めてくれるといいます。
【何のために痩せたいと思っているのか、書き込んでみよう】
- なぜ痩せたいと思ったのですか?
- 痩せたらやってみたいことを10個挙げてみよう
- 痩せたらどんな気分になっているか、想像してみましょう
- 痩せて誰に喜んでもらいたいですか?
- 誰のために痩せようと思いますか?
- 痩せてどうなりたいですか?なりたい理想像の写真をはってみよう
わざわざ書かないといけないのかと思うかもしれませんが、実際に文章にすることでなりたい自分をイメージできて、その成功確率を上げることができます。
面白いのは4番目と5番目の質問でしょうか。
ダイエットは自分だけではなく、自分の周囲に人にも大きな影響を与えてくれます。
ダイエットは周囲の自分へのイメージを変えることにもつながります。応援してくれる人の存在を確認することで、苦しい時にも耐えられるモチベーションにつながります。
ライザップのトレーニングの種目と流れ
ライザップでは週2日でトレーニングが基本です。やりすぎても筋肥大はしませんし、それより少ないとトレーニング不足だと考えているからです。
ライザップではトレーニング内容をDAY1、DAY2に分けています。
DAY1では、胸・肩・下背・腹の部分を、DAY2では、脚・背・腹の部分をやります。
ただしDAY1では上半身は押す運動、下半身はひく運動の日にします。
逆にDAY2では上半身はひく運動、下半身は押す運動の日にします。
こうする理由は、簡単に言えば押す筋肉は押す筋肉同士で共同で動きやすく、引く筋肉はひく筋肉同士で共同で動きやすいため、一緒にやることで同時に筋肉疲労が起き、その回復を考えると一緒にやったほうが効率的だからです。
この本で紹介されているDAY1、DAY2のトレーニングの部位別種目別の組み方の一例は次のようなものです。
【DAY1】
胸(プッシュアップ)
肩(アップライトロー+ショルダープレス)
下背(デッドリフト+スーパーマン)
腹(レッグレイズ+クランチ)
【DAY2】
脚(スクワット+スプリットスクワット)
背(ベントオーバーロー)
腹(ロシアンツイスト+ニートゥチェスト)
もちろんここであげた種目はあくまでも一部で、それ以外にもたくさんの種目はありますが、基本は基礎的な種目がほとんどです。
ライザップ独自のトレーニング法や種目があるというわけではありません。
しかしこれは筋トレでは当然のことで、筋トレで大事なことは基本的な種目をいかに正しいフォームでやり抜くか(オールアウト)というところがキモなのです。
またライザップに来られる利用者の方はアスリートなどではなく、普段は運動習慣のない一般の人です。
運動嫌いの人にその気になってもらうために大事なことは、トレーニングの細かいノウハウではなく(ライザップにそれがないということではない)、基本に忠実なフォームで限界まで追いこむワークアウトです。
そしてそれを一緒に続けていけるためのモチベーション操作術です。
ライザップはそのサービスの本質を接客業だと考えています。もっというと接待業だと考えているのかもしれません。
ライザップで行われるトレーニングを利用者さんにとっていかに特別な空間と時間にするか、そのことに注力しているのがライザップなのです。
ライザップでダイエットが成功する理由
ライザップのスタッフさんは必ずしもその道のプロという経歴の方ではなく、様々な業種から応募して研修を受けたうえでトレーナーになっています。
ライザップがどのような基準で採用を決めているのかまではわかりませんが、ライザップは求めている人材は、利用者さんの不安や迷いを先回りして感じ取ってフォローできる人ではないかと思います。
おそらく純粋なボディメイクジムであれば、その道何年のトレーナーである必要があると思いますが、ライザップはあくまでも基本はダイエットジムです。
「ダイエットは運動1割、食事9割」という言葉もありますが、ライザップをライザップたらしめているのは食事制限の厳格な管理だと思います。
利用者さんの食事内容を写メにとって逐一トレーナーさんに報告させる。これが利用者さんに常に食事内容を見られているという意識をもたせることを可能にしているのです。
それでは筋トレに意味がないのか、というとそうではありません。
もし食事内容の管理だけをライザップがやるとなると、実際そのようなサービスはありますが、ダイエットの成功率は大きく落ちてしまうと思います。
やはり一緒にトレーニングしてオールアウト(限界まで力を出させる)するという一連の行為がなければ、いわゆる目的を共にする同士愛的感情は芽生えてこず、そうなるとトレーナーとの信頼関係も生まれてこないからです。
一旦トレーナーとの信頼関係が生まれれば、食生活に関してもトレーナーの見えないところで食べてしまうということがなくなっていきます。
というのも食欲の誘惑に負けて”盗み食い”をしてしまうとトレーナーへの罪悪感が生まれてくるからです。ダイエットを応援してくれるトレーナーの存在が、食欲を抑止してくれるのです。
ライザップの絶妙な価格設定
ライザップの費用は率直に言って高く感じる方がほとんどだと思います。
しかしそれでも多くのユーザーを引き付けているのは事実です。
その理由はライザップが売っているのがトレーニングのノウハウではなく、結果だからです。
ライザップのトレーニング法自体は筋トレを習慣にしている人なら誰もがやっている基本的なものばかりです。
社長もそのことは認めています。SUPER CEOというサイトでのインタビュー瀬戸健代表の結果を出すための発想法において次のように答えています。
では、我々はプロとしてお客様に何を提供して対価を得るのか? トレーニングを教えることか? お客様が望んでいるのは、トレーニングを教わることか? そうではなく、その結果として痩せることではないのか? その結果を実現させてこそ、プロと言えるのではないのか?
社長自身、ライザップの売りはトレーニングノウハウではなく、結果にコミットさせるノウハウであることだと断言しているのです。
そのノウハウの一つが価格設定だと思うのです。
この価格だと応募してくるお客さんは、本当に真剣に痩せたいと考えているモチベーションの高い人か、金銭的に余裕がある人、つまり所得が高い人になります。
所得が高い人は仕事が忙しく、コスパよりも時間の節約のほうが大事な人が多いので、ライザップのようにコンパクトにまとまったサービスを提供してくれるジムには適しているわけです。
おそらくダイエットに成功しやすいのは前者の本気で痩せたいと思っている人だと思います。
しかし後者の所得が高い人は、仮に痩せられなかったとしても金銭的な負担は当人にとってはそれほどでもないので、大きな不満を感じることはないと思います。
少々?お高い価格設定によって本気度の高い属性の人たちを集めることで、その成功の半分は約束されたものなのです。
個人的にライザップのような短期集中型プログラムに向いているのは、例えばハリウッド俳優が映画出演のために肉体改造を行うときとかにパーソナルトレーナーを雇うように
ライザップは高い価格設定によってキャッシュフローの余裕を生み、それをテレビCMというマス広告で大いに宣伝することで、世間に糖質ダイエット+筋トレという新しい組み合わせ(ワークアウト業界では既存の方法)を広めた功績は大きいと思います。
ライザップ型が唯一の最適解ではないけれども
ライザップが提供している短期集中型のプログラムについては必ずしも最適ではないのではないかという声もあります。
基本2カ月程度で二けた近い減量を目指すというのは、体への負担やリバウンドのリスクをあげてしまう可能性があるからです。
しかし実際のところライザップには多くの利用者が集まり、また今では続々とライザップ型のパーソナルジムが都市部を中心にオープンしています。
ライザップメソッドが仮に最適解でないとしたら、ライザップとは別のプログラムを世の中に訴求していけばいいと思います。
そうなることで利用者には多様な選択肢が生まれ、自分に合ったジムを主体的に選択していけるのではないでしょうか。
ただ一点指摘しておきたいのは、ライザップでダイエットをすると太りにくい体質になるということですが、これは誤解しやすい点です。
これは筋トレを併用することで、体重を落としても筋肉量をできるだけ減らさず、体脂肪率を下げる(筋肉の「割合」を増やす)ことで、筋トレをしないで痩せた場合よりも太りにくい体質になるためです。
しかし筋肉量の総量は太っていた場合よりも筋トレをしたとしてもどうしても減るわけですから、基礎代謝量はその分減っているわけです。
なので太りにくい体質になってるからといって、太っていた時と同じ量を食べれば、結局元の体重までリバウンドします。
ライザップが言っている太りにくい体というのは、あくまでも筋トレをしないで痩せた場合と比較してのことです。
これは細かい点のように思えますが、リバウンドのことを考えると大事な点です。
ライザップで一時的に痩せたとしても、その後も食生活の改善と運動を併用しなければ、元に戻ってしまうのです。
ライザップ関連の本は何冊も出ていますが、今回紹介した運動編とともに食事編、そして糖質量ハンドブックを揃えれば、基本ライザップメソッドがどのようなものかを把握することができるはずです。
個人的には特に糖質量ハンドブックはあらゆる食材の糖質量が網羅的に掲載されていて、一通り目を通しておくだけで、各食材の大体の糖質量の把握ができますのでお薦めです。