ダイエット

ダイエットの基本はレコーディングから:記録して摂取カロリーを把握しよう【4】

 

前回は消費カロリーがわかったので、今回は摂取カロリーを把握しよう
うん、だけど摂取カロリーって要は食べたものを全部記録しないといけないってことだろ? 大変じゃないか
うん確かに大変のように思えるけど、今はスマホにいいアプリがあるし慣れたらそんなに苦じゃないよ
レコーディング・ダイエットってやつだね。確かちょっと昔にそこそこ流行ったような記憶があるよ
そう、略してレコダイはお医者さんの間でも数少ない普遍的なダイエット法として推奨されてるんだよ。今ではスマホアプリの普及で記録しやすくなってかなりの人がやってるんじゃないかな
ふーんそうなんだ。じゃあちょっと適当なアプリでもチェックしてみるかな
アプリはたくさんあるから、自分に合ったアプリを探さないとね

レコーディングはダイエットの基本

摂取カロリーを把握するためには、毎日の食事の記録が欠かせません。結構ありがちなのは、太っている人ほど昨日何を食べたのか記憶にないということです。これはおなかがすくままに胃の中に食べたい食品を入れていってるからでしょう。これは自分のことを振り返ってもそうです。

レコードダイエットは食べる順番ダイエットよく噛むダイエットと並んで、お医者さんの間でも高く評価されているダイエット法です。ダイエット法は専門家の間でもその有効性について議論が分かれることが多いのですが、このレコダイはほぼだれもが賛同するダイエット法なのです。

レコダイはサブカル評論家の岡田斗司夫さんの著書で数年前ですが一躍有名になりました。そのころはまだスマホが普及していなくて記録するのは手帳と鉛筆でした。

 

残念ながら岡田さん自身は見事にリバウンドしてしまいましたが、レコダイの有効性が否定されてしまったわけではないと思います。リバウンドの原因はほかにあったのだと思いますが、ここではそのことについては論じません。

しかし岡田さんの功績はレコダイを日本に定着させたことだと思います。今やスマホでダイエットアプリを検索すると運動系を除けば食べたものを記録するアプリだらけです。それだけでもレコダイがスマホの普及とともに市民権を得た証左といえるでしょう。

レコダイの元祖はドクター中松さん

レコダイを広めたのは岡田さんかもしれませんが、元祖といえばドクター中松さんかもしれません。

ドクター中松さんというと都知事選に毎回立候補されたり、いろんな発明品を開発されたり、変な研究を表彰するイグノーベル賞を受賞されたりと、非常に個性的な発明家さんですね。

そのイグノーベル賞栄養学部門の受賞対象となったのが「一日一回の自分の食事を34年もの間写真に撮り、食べた物が脳の働きや体調に与える影響を分析したこと」に対してでした。

食事内容を写真に撮って記録することによって、長寿に貢献する食事法を開発したいという思いで習慣化されたといいます。

受賞されたのが2005年度といいますから、ずっと続けてると仮定すれば、現在までのところ50年近く自分の食べたものを記録していることになります。一日一回とはいえ大変なことですよね。

レコダイで頭の中に食品のカロリーや栄養のデーターベースができる

レコダイのよいところは食品のカロリー表示をみる癖がつくということです。毎回の食事でカロリー表示をみて記録していけば、いつの間にか大体の食品のカロリーがいくらぐらいかがわかってきます。つまり頭の中にカロリーのデータベースができるのです。

普段何気なく手に取って食べている食品も、思った以上にカロリーがあるとびっくりします。びっくりするということは脳内にその食品のカロリーが強くインプットされるということですから、その経験を繰り返すことで”危険”な食品を前にすると頭の中に自然とアラームが鳴るようになるのです。

自分は後で述べるように低糖質ダイエット、いわゆるロカボダイエットを採用したので、カロリーに加えて糖質量の把握に注意を払いました。

カロリー表示がない食品を避けるようになる

もうひとつレコダイのいいところは、カロリー表示や栄養が記載されていない商品を自然とさけるようになるということです。

今ではチェーン店などでは一品一品についてカロリー表示されているところが多くなってきましたし、コンビニではほとんどの商品にカロリー表示がされるようになりました。

レコダイをしていると、できるだけ正確な数値を入力したいという欲求が自然とわいてくるので、カロリー表示のない食品を避けるようになるのです。

カロリー表示がなくても、例えばカツどんならどのアプリでも平均的なカロリー量が記載されてますので問題はありませんが、かつ丼といっても店ごとに量も食材も違ってくるので誤差が大きくなります。

不要不急の外食を避けるようになる

カロリー表示のない食材を避けるようになることと同じように、レコーディングをするようになると外食への欲求も抑制されます。

大手のチェーン店なら商品ごとのカロリー表示がウェブ上などで公開されているところも多くなってきてはいるものの、個人店やちょっと手の込んだ料理などですと、なかなかカロリー表記されてるところは少ないと思います。

ましてや栄養素ごとに内容量が記載されてるところはほとんどないと思います。

それでも料理の種類である程度のカロリーや栄養成分の内容量を把握することは可能ですが、やっぱり一旦レコーディングが習慣化されるとできるだけ正確な数値を把握したくなってくるので、自然と外食への欲求が薄れてくるのです。

記録するというちょっとした手間が食欲を抑える

そしてこれと関連するのですが、ちょっとしたものでも記録しないといけないとなると、記録するのが億劫なので自然と不要不急なものは食べなくなります。

現代人が肥満になりやすい原因の一つに、コンビニなどいつでもどこでもおいしいものが手に入る環境ができてきたということがあると思います。

しかし食べたらメモするというちょっとした手間=コストをつけることで、ついついスナック類や甘いお菓子の間食などをしてしまう悪癖を抑制してくれる効果があるのです。

日々の食生活が定番化する

すべてのアプリというわけではありませんが、食材を記録するようになると一度記録すると直近のものは上のほうに表示してくれるので、1クリックで記録できるようになります。

カロリーとたんぱく質と糖質の量でフィルタリングしながら身近なスーパーで買える食材となると自然と絞られてきます。

具体的には豆腐、ゴマ豆腐、納豆、卵、ヨーグルト、もずく、サラダチキン、焼き鳥、サラダボウル、刺身、鯖缶、牛肉、豚肉などです。特に豆腐、ゴマ豆腐、納豆、卵、ヨーグルトはヘビーローテーションになり、今でもその食事内容は変わりありません。

僕のような食いしん坊はとにかくおなかが減ると何か食べたくなってくるのですが、上記のような食品ですと冷蔵庫にいれておけばすぐに取り出して調理することなく食べれますし、いずれも飽きの来ない食品ですので、とりあえず空腹感を満たせばよいというならヘビロテするようになります。

日単位、週単位でカロリーコントロールができる

しっかりと記録をつけていると、今日は食べすぎちゃったから明日はこれぐらい減らして調整しようと考えることができます。

それは次の日調整でもかまいませんし、数日調整、はたまた週単位で調整することも、しっかりと記録をつけていれば可能なわけです。

仕事の会食や友人との外食など、自分ではコントロールできないカロリー摂取をする機会はダイエット中はいくらでもあるわけですから、だからこそレコーディングしておくことで、数日単位での調整を可能にして、こころおきなく外食を楽しむことができるわけです。

これがレコーディングしていないと、せっかくの外食なのにダイエットのことを考えてメニューを控えめなものにしてしまうとか、次の日にどれだけの調整をすればいいのかわからないので適当にしてしまうとかになってしまいます。

もちろん外食ですから初めからカロリーや栄養成分が規定されて公表されているようなチェーン店ならともかく、個人店なら正確にはわからないわけですが、一つだけ確かなことは1回の外食でダイエットが台無しになるようなことはないということです。

大まかに自分の食べたものを記録しておけば大体のカロリー量は把握できるのです。

食事が間食化する、間食が食事化する

食事が間食化するというのはいまいちわからない表現と思われると思いますが、要は食事の頻度が多くなるとともに一回の食事量が減るということです。

ダイエットのありがちな失敗で、おなかがすいてもできるだけ我慢して食事の合間を空けてしまったり、また朝食を抜いたり極端なケースでは1日1食とかいうように、食事の回数を減らして一回の食事量を増やしてしまうことなどがあります。

 

食事内容を記録して摂取カロリーや摂取糖質量を把握していれば、おなかがすいたときに上のような定番の食材をちょこちょこっと口にすれば空腹感はおさまりますし、そうなればエネルギー不足で活動量が落ちたりすることなく、消費カロリーも高レベルで維持できます。

間食といっても毎回の食事とちがうスナック類を食べるということではなく、例えば豆腐でも納豆でもブルーベリーでもいいわけです。

極端なことをいえば一日の食事を10回に分けてそれを等分で食べるということが理想になります。

現実問題として忙しい現代人が仕事の最中に軽食を頻繁に口にするというのは難しいのですが、それはあくまでも労働上の観点からの話で、身体づくりという点においては少量ずつ頻繁にというのが理想になります。

3食の食事と合間の間食という垣根をとっぱらうことで空腹感を生じさせず、身体に飢餓感を憶えさせないので、栄養の吸収率が不必要にあがったりもしません。

太っている人も頻繁に食べ物を口にしていますが、それは摂取カロリーが消費カロリーを大幅に超過しているからです。レコーディングしてしっかりと摂取カロリーを目標の範囲内に抑えていれば、食事の回数は増やしたほうがいいのです。

代表的なレコードダイエットアプリ「あすけん」

アプリはたくさんありますが、カロリーレコードアプリの代表といえば”あすけん”でしょうね。すでに200万人以上が利用しているレコダイアプリの決定版みたいなアプリです。

3か月以上継続できているユーザーさんの減量の平均値が3.16キロというから驚きです。やっぱりレコダイは効果的なんですね。

摂取カロリーを制限するダイエットは、ダイエットの王道ではありますが欠点もあります。それはカロリーの総量だけみて、個別の栄養配分に無頓着になってしまうということです。

しかしあすけんは各栄養成分の摂取量が細かく表示され、基準値に達しているかどうかも一目でわかるようになっていて、カロリー制限ダイエットの欠点を十分に補ってくれています。

またアプリのコラムである「ダイエットの知識」はダイエットに関する様々な情報が的確にまとめられていて、これらをザーと読むだけでもダイエットに役立つと思いました。

あすけんの最大の意義はやはり自分が何気なく食べているものの栄養配分がどれだけ偏っているのかどうかを自覚できるという点にあると思います。

往々にして太っている人は自分はそれほどカロリーを摂取していないと考えてしまいがちですが、記録をとってみると自分が考えている以上にカロリーや糖質を摂取していることがわかります。

ほんとによくできた総合的なアプリなのですが、自分はいくつかの理由で今回は採用しませんでした。その理由については次回説明したいと思います。

レコードダイエットで摂取カロリーを把握しよう

頭の中にカロリーのデータベースをつくろう

スマホのアプリを利用すればそんなに苦にならない