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どうしてダイエットは失敗に終わるの?

ダイエットってある日突然はじまるものですよね。
そのきっかけは多分人それぞれだと思うんです。友人の結婚式で久しぶりに昔の友人と会うからとか、周りの人の何気ない一言に傷ついて一念発起したとか。
ダイエットを始めるときははりきってるので、極端な食事制限とか流行りのダイエット法とか、ハードな筋力トレーニングとかをえてして選びがちです。
自分自身がそうだったのでよくわかります。
最初はアドレナリンがでているのか、モチベーション高く頑張ろうって気持ちである程度の期間は続くのですが、しばらくすると結局心身ともに疲れちゃっていつのまにか元の木阿弥。。。
”加齢なる”ダイエット遍歴

ダイエットと禁煙は失敗がつきものです。禁煙でよくいわれるジョークは「禁煙なんて簡単だよ、もう何度もやってきたぜ」というものですが、ダイエットも似たようなところがあります。
ダイエットの失敗を繰り返して全然痩せられていないのに、ダイエットの知識だけは豊富になってしまったという経験ありませんか。自分も含めて世の中にはこのタイプの方がたくさんおられると思います。
そのダイエット法というのは科学的に裏づけされた体系的なものではなく、「~したらやせる、これだけダイエット」系が多いと思います。
運動したら痩せる、リンゴだけ食べて痩せる、水だけ飲んで痩せる・・・。
そのようなダイエット法で失敗すると、ダイエットしなかったときに比べて体の老化をすすめてしまいます。
筋肉量のことを考えないでただ体重を落としていくと、体脂肪以上に筋肉が落ちて痩せたとしても筋肉の少ない老人みたいな体つきになってしまいます。その状態で食事を元に戻してもリバウンドしたうえに、最初の時よりも脂肪量の多い体つきになってしまいます。
体重の変動が大きいと老化が進み、ダイエットの失敗によるダメージは身体に確実に蓄積されていきます。
また身体だけではなくメンタルにも効いてきます。ダイエットの失敗は自己肯定感を喪失させ、それは仕事や人間関係や交友関係にもマイナスに影響してくるのです。
やらなかったほうがましだったという哀しいダイエットは巷に溢れています。
日本人は有酸素運動ありき

日本人はダイエットで運動だというとまずは有酸素運動を思い浮かべると思います。有酸素運動というのはジョギングだとかランニングだとか、主に心肺機能を使ってする運動のことです。
冬になるとマラソン大会や駅伝大会が頻繁にテレビ中継されるように、日本人は冬の風物詩としてマラソンが好きです。
鼓動を早くして息があがるような心肺機能を使ったものじゃないと運動した気になれないというのもあると思います。
ただ肥満の人が有酸素運動を始めると大概は膝や腰を痛めます。マラソンを続けられている人はマラソン仕様の身体になっているので故障なく続けられるのです。
僕はロードバイクを買って一時期はまってました。バイクはジョギングと違って過体重でもひざや腰に負担が来ないのです。ただ夏は暑いので夜に走ってましたが、車道を走るので危ないんですよね。
ロードバイクは体幹や腰から太もも、ふくらはぎにかけての大きな筋肉が刺激されるので筋肉がついて腰痛も治ったのでとてもお勧めのエクササイズなのですが、それでやせたかというとやせませんでした。
ジョギングやバイクなどの有酸素運動はどうしても時間が長くなります。時間が長くなると毎日の習慣にするには無理があり続きません。
また有酸素運動すると食欲も刺激されるので、結局運動後に消費カロリー分を食べてしまうので体重も減らないのです。
また有酸素運動のダイエットにおける最大の欠点は、長時間の運動によるカロリー消費によって筋肉を分解してしまうことです。
マラソン選手を見るとわかりますが、体つきはとても細く余分な筋肉はついていません。
ただでさえダイエットでカロリー制限をして消費カロリーが摂取カロリーをうわまわっている状態での長時間の有酸素運動は、身体がエネルギーを求めて筋肉を分解してしまいます。
有酸素運動によるダイエットで痩せれたとしても、筋肉量の少ない身体になっているわけで、運動をやめてしまえばリバウンドしてしまう身体になっているのです。
今世界のトレンドは変わってきています。欧米でも昔は日本と同様に有酸素運動に人気があったのですが、今は筋力トレーニングに人気が移っています。
それも人にやらされる「トレーニング」という言葉を使わないで、自分で自分の身体をつくる「ワークアウト」という言葉を使います。
極端なカロリー制限
高校生の時に3カ月で12キロ痩せたことがあります。その時のダイエット法は子供だったこともあって何の知識もなくカロリー制限一辺倒でした。
朝お茶碗一杯のごはんに生卵をといた卵かけご飯を食べると、昼と夜は我慢できるなら食べない、どうしても我慢できなくなったら何かをすこしだけ口に入れるという単純素朴で過酷なルールでした。
成長期なのに無理な食事制限をしてふらふらになりながらゲッソリとした痩せ方をする。学校の授業を受けていても頭に何も入ってこないという状況はとても健全な生活ではありません。
体重を落とすだけではなく筋肉量も落として、さらに発育まで止めてしまうようなダイエットをやってしまっていたのです。
そんな高校生がやるようなダイエット法を大人になってもやってはいませんでしょうか。
リバウンドするためにダイエットする

短期間での急激な減量法というのは基本的にはボクサーやボディビルダーが大会や試合に合わせて体重調整を行うところから来ています。
ボクシングは近年特に顕著になっていますが、ボクサーは試合前日の計量日になんとか体重の帳尻を合わせながら、試合当日に体重を急回復させて相手よりもいかに体重を超過させるかという競争になっているところがあります。
言い換えると、ボクサーのダイエットというのはリバウンドするために減量するというところがあるのです。主目的がリバウンドにあり、減量はその手段でしかないのです。
そのため例えば「水抜き」という減量法をします。
簡単に言うと体重の3分の2を占める水分量を身体から減らせばそれだけ体重が減るというシンプルな考えです。
減量開始時の最初の時期は、摂取カロリーを徐々に減らしていくのですが、最後のほうになるととにかく水分は摂らない、摂ってものどの渇きがうるおせられるぐらいにします。
試合1週間前になると食事はほぼとらずに水分も摂らなくなります。その状態でトレーニングを続け、最後はつばも出てこないという状態で計量にのぞむのです。
計量をクリアすると今度は試合までの時間でいかに体重を元に戻すかの勝負になります。つまりリバウンド競争です。
そのためまず胃をびっくりさせないためにかゆなどを食べて馴らしておいてから、普通の食事をして体重を一気に戻していくのです。
そのリバウンド量は半端ではなく一晩で数キロ、人によっては二けたに届くぐらい戻すといいます。
なぜそんなに体重が増えるかというと、もちろんお肉がついたわけではありません。からからに乾いている雑巾をバケツの水にひたしたら水を目いっぱい含んで重くなるのと同じことで、要は体内の水分量が回復したからです。
このようにボクサーほどではなくても、過酷なダイエットを行うことはリバウンドするために行っているようなものという意識は持っていたほうがいいのです。
2か月で10キロやせたとしても、食事内容を元に戻せば1週間で5キロ戻るということもありうるのです。
リバウンドの怖いところは、一生懸命時間をかけてダイエットしてきたのに、戻るときはその期間の半分、もしくは数分の1の期間で戻ってしまうことです。
バフェットはいいます。
It takes 20 years to build a reputation and five minutes to ruin it. If you think about that, you’ll do things differently.
20年かけて信用を築いてきたとしても、それ失うのはわずか5分だよと。
ダイエットを始める前に自分のやろうとしているダイエット法がいつの間にかリバウンドをするためのものになっていないか、自分に問い直してほしいですね。
流行りものダイエットに手を出すメリットデメリット
ダイエット法にはほかの業界と同じように、流行りすたりがあります。
定期的に新しいダイエット法が開発されてどこからともかくメディアに流れてきます。
現在流行っているダイエット法をやるメリットは、時代とシンクロしている喜びを味わえることだと思います。
ある種の祭りに参加している楽しさというものでしょうか。
それに流行るダイエットも本質は運動か食事療法ですので、しっかり実践できればやせることは確かです。
本質を現代のアレンジでうまくコーティングしているので、それに魅力を感じられれば試してみてもよいのではないでしょうか。
ただしデメリットもあります。それはどうしてもマーケティング先行で効果をデフォルメした訴求になりがちだということです。
また体系的でもなく、医学的にも?と思われるようなダイエット法が多いのも特徴です。
あれこれ手を出していたずらに時間とお金と努力を無駄にすることがないように、ダイエットの原点は消費カロリーを増やすか、摂取カロリーを減らすかしかないということを認識しましょう。
バフェットはこういってます。
Risk comes from not knowing what you’re doing.
リスクというのは自分のしていることがわかっていないというところからきている。
またこうもいっています。
Wide diversification is only required when investors do not understand what they are doing.
分散投資は無知の象徴だ。
あれこれ手を出すより、ダイエットの基本原則と照らし合わせて本当に必要で実効性のあるダイエット法を選択してほしいと思います。
それ一生続けられますか?

そのダイエット法が成功するか、失敗するかは次の質問に答えられるかによって簡単にわかります。その質問とは”それ一生続けられますか?”です。
リンゴだけ、こんにゃくだけ、シラタキだけ食べていれば痩せると思います。摂取カロリーが下がるのですから。ただし痩せるのはそれだけを食べている間だけですよね。
それであなたは一生こんにゃくだけ食べて生きていくのですかと自問したら、おそらく全員がNOというでしょう。
ジョギングが大好きで走らずにはいられない、筋トレやらないと死んでしまう、という人は世の中に結構おられると思います。でもそういう方はそもそもダイエットしなくてもいい身体の持ち主のはずです。
運動経験のない人がトレーニングを始めてから思った以上にはまってしまって、熱烈な愛好者になってずっと続けているという人の割合は数%程度といわれています。ジョギングに目覚めてサブ4、サブ3と記録を伸ばしていき、大会にでることを目標とするという話は確かにありますが、かなり少数派だと思います。
ダイエットきっかけに自分の好きなものを見つけられた人たちはとても幸運な人だと思いますが、多くの人とっては走るというのはいつまでたっても苦痛でストイックなものです。
たとえ走ることが大好きになっても年齢とともに故障はどうしても増えていきますし、中断してしまうことは充分に考えられます。
それダイエットとして一生続けられますかという質問にYESといえないなら、そのダイエット法はやめておいたほうがいいでしょう。
今日からダイエットしようとモチベーションが高いうちについつい選んでしまうダイエット法は往々にしてハードで、今風の言葉でいえばサステイナブル(持続可能)ではないことがほとんどです。
バフェットの投資哲学は徹底した経営権の長期保有
バフェットさんは現在御年86歳、そろそろ引退もささやかれていますが、いまだに現役の投資家です。投資業界はダイエット業界と比較にならないぐらい常に技術革新が起こっていて、様々な投資法が生み出されては消えていく業界だと思います。
そんな投資の世界で、バフェットさんは昔からの投資法で今でも勝ち続けているというのは驚きですが、バフェットに言わせれば、難しい投資法が喧伝されるのは投資に勝つというよりも、投資を集めるための宣伝だといいます。
バフェットさんの投資法は簡単に言えば、価値のある企業の価格がその価値より下がっている場合は買いを入れ後は長くその株式を持つということです。
Our favorite holding period is forever.
買った株をどのくらい保有するかって?もちろん一生さ。
簡単に株の売り買いをして利ザヤを設けるというのではなく、長期的に株を保有することでその企業の本来的価値に市場が追いついてくることを気長に待つという投資法です。株を買うのではなく、その企業のオーナーシップの一部を獲得するという意識が大切だといいます。
何だそんなこと知ってるよという声が聞こえてきそうですが、ダイエットでも同じですよね。ダイエットでいえば、摂取カロリーより消費カロリーが少なければ太り多ければ痩せるという原則があります。
目先の利益に踊らされて株価の上下に一喜一憂するのではないように、ダイエットも短期的な成果を追い求めて即自的なダイエット法に飛びついてはいけないということになります。
このことはまたメディアでもてはやされる一時的に流行しているダイエット法に飛びついてはいけないこともいっているのです。
バフェットがいう基本的なことをやろうという意味
バフェットさんは投資を難しく考える必要はないといっています。
There seems to be some perverse human characteristic that likes to make easy things difficult.
人間には物事を難しく考えるひねくれた性向がある。
また同じ意味のことを次のように語っています。
The business schools reward difficult complex behavior more than simple behavior, but simple behavior is more effective.
ビジネススクールでは単純な行いより難解で複雑な行動のほうが報いられやすいと教えているけれども、単純なほうがずっといい。
またこうも言っています。大きく儲けるのに投資の天才である必要はない、常に基本的な原則に立ち返って努力しようといっています。もしダイエットの天才がいたとしたら、その人は減量はできてもリバウンドを繰り返している人のことです。
ダイエットの天才ではなく、世の中にたくさんいる普通の体形をしている普通の人を目指しましょう。
ダイエットの原則とは摂取カロリーをいかに減らすか、消費カロリーをいかに増やすかにかかっています。とすればまずやることは自分の消費カロリーと摂取カロリーの数量的な把握です。
基本的なことからはじめよう
ダイエットを難しくしない
一生続けられないならダイエット法としては不適格